
溝口あゆかさんが提唱された『インテグレイテッド心理学』(以下、インテと略します。)は心のしくみと、悟りの教えを併せた心理学です。シンプルで実は当たり前のことを伝えているものですが、一方で言われているのは”世界一難しい心理学”。なぜか。
それは、インテでお伝えしていることがあまりにもシンプルだから。そして、そのシンプルさが、ほとんどの方にとって”非・当たり前”になっているから。今の「自分にとって当たり前」と思っている大前提を解体していくものだからです。
オープンな気づきや好奇心の中、体験を踏みながらニュートラルな視点で順を追いながら見ていくと、心の中で起こっていることに「なるほど!だよね~」と納得できるのですが、覆っている皮(思い込み・思い違い)があまりに自分にとって当たり前になっているので剥がしにくいのです。
例えて言うなら、
今は「地球が球体」ということがわかっていますが、ずっと昔。地球は水平で、果てがあると信じられていた時。事実を知らなくても、皆がそう言うからそうなのだ。と、誰もが疑うことなく、目に映る水平線に地球の果てを想像していました。インテでは、地球が水平と思っている方に「地球は平らなのではなく、球体なんだよ。」ということを、天体の動きなど、真実をもとに説明をし、地球が丸かったことを本人の体験の中から気づいていただく。
という感じでしょうか。この地球の例えぐらい大前提となっているのが”私”についてですが、こちらは最後の方に紹介させていただきました、師匠 溝口あゆかさんの「気づきのダンス」をお読みいただければと思います。
❏難しい理由1~自分にとって当たり前な思考に戻りやすい~
セッションの場合ですと、ご本人の中から出てくる思いや感情を潜在意識の対話の中で伺っていきます。そこには誰の解釈も分析も、誘導もありません。だからこそ「なるほどー!そうだったのか、そうだよね。。。」というしっくり感を感じていただけるのですが、そこへ行くまでのそもそもの心の設定が、自分の中で培われた思い(誤解)が真実になっている。なので、自分では見破りにくく、自分の設定した世界に戻りやすい。(そして多くの方と共有する。) ここが難しい部分かもしれません。
⇒”自分の設定した馴染み深い世界(思考)に戻りやすい”
自分の中で起きていることや思考のパターンは自分にとっての日常で、あまりに馴染み深くなっています。そして、誤解の上に成り立った解釈(自分がいて、世界がある。自分VS他者、など。)が真実となっているので、誤解の土台はそのままに、解決法を探すようになります。ここでも多くの場合は、自分の内面や捉え方に目を向けるより、周りの条件や他者が変わればどうにかなる。と外側を変えようするでしょう。
今までの自分の体験、そこから学んだことは自分の価値観や生きていくルール、世渡りの方法になります。それは自分を守る壁になり、つけ心地の良いコンタクトレンズのように自分にぴったりフィットし、つけていることも忘れます。そして、そのままコンタクトレンズ(解釈)を通して見た世界をありのままの世界、と思うようになります。城壁の中でコンタクトレンズを通した世界をみている。それが、ふだんの私たちが過ごしている状態です。
その”つけていることを忘れたコンタクトレンズ”で見るのは、他者や世界、物、だけではなく、自分自身のこともです。私たちは誰かや何かをみるとき何重ものレンズを通して見ています。そして、各自がそのように見ているので、この世は投影合戦です(^^)(この投影が、講座内でお伝えしている・抑圧し、自分が持っているのにナイことにしている思い・事実と解釈の違い、の部分。そして、この解釈をリアルにするのが『思考、感情・感覚、からだ』です。)
講座では「コンタクトレンズ」という言葉は使わず、セロファンを使ってこの世界の見え方を体験していただきました♪
❏難しいもう一つの理由 ~私がいなくなる恐れ~
癒しを進めたり、自分を見つめる、というとき、自分が感じたくなくて固めてきた思いや、フタをした傷などを見ること自体が”私(自我)”にとっては怖い。ということもあります。それは、今まで築いた自分の防御壁を自分で壊すようなものだから。そして、中にある傷が本当に怖いもの、いやなもの、と信じ込んでいるから。
また、楽になりたい一方、苦しみと自分が一体となっているときには、苦しみを解体することが自分を解体することになるので、余計に抵抗感もでてきます。自我(”私”という思いや感覚)にとっては、自分の価値観や存在の証明もとっても大事。ですので、どんなにネガティブな思いでも、「自分」を感じられるものは大事。それがなくなるのは「自分がなくなる」ようなもの。これは深い部分で感じる怖さや抵抗を引き起こします。(自我の解体・エゴが恐れる2つの死を意味するので、”私”にとってはとても恐怖。)
⇒癒しを進めることが自我の解体になるので、深い部分では自我にとって恐怖に感じる(でもその先に大きな受容、本質からの安心感がある。)
これらは全て無意識の領域で起こることなので、表面の意識では全く気がつきません。ですので、頭では「楽になりたい、癒やされたい、どうにかしたい。」と思っても、無意識の部分では自我を守るための全力の抵抗が起こる、という葛藤が起こります。
また、自我の消滅のほかにも、自分を守るために作った壁なので取り外すこと自体が怖い。でも、あると苦しい。でも、ないと不安。外そうとすると怖い。というような葛藤もあるでしょう。例えばこういうことです。
例)しょっちゅう怒ったり機嫌が良くなったりする不安定な母親に育てられた。いつもどうなるかわからず大変だった。自分でアンテナを張り、しっかりとしてないければいけなかった。
という場合。
いつもどうなるかわからなかった。とても怖かった。そういう母にも腹が立つし、自分にも力がなく感じる。
↓
不安定な状況なのでいつも気を抜けない。様子を疑う。自分以外、信じてはいけない。
↓
信じたり安心することが(心の深部で)怖い。なぜなら、大丈夫と思えば怒られたり、安心したりすれば自分で対応する力がなくなり、また大変な目にあうから。40年以上、こういうやり方でしのいできた。(自分に馴染んでいる。)
↓
だから、リラックスしたいときでも気を抜けない。大変だったことも、感じたくない。
など。
そうしたくてもできない、せめぎ合う理由があったりします。
そして!インテが難しい最後の理由です。
❏もっとも難しい大前提。~”私”という感覚について~
私が自分の人生を生きている。自分で、切り開いていく。私が、する、考える。私と他者・世界の関係を変える。
という思い。この点は”非二元・悟り”の観点から紐解いていきます。こちらについては溝口あゆかさんのブログ「気づきのダンス」をご覧ください。
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いかがでしたでしょうか。同じような説明の繰り返しになったり、理由がつながっていたりになりますが、実際に『自分のこと』となると見えにくくなるもの。ぜひ、実際にセッションや講座でご自分の体験を通して感じていただければと思います。OADのセッションは、私も行っていますが、他にも溝口あゆかさんのサイトに登録されたセラピスト一覧があります。ピンとくるセラピスト、タイミングでぜひご体験ください♪
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4月25日(火)に、インテをベースにした『境界線セミナー』と5月(日にち調整中)に『インテ』を開催いたします。ご興味を持たれた方はぜひお申込みお待ちしております♪
>>お申込み・お問合わせはこちらから
https://deava.net/aroham/%E3%81%94%E4%BA%88%E7%B4%84/
少人数制なので、じっくり理解を深めていきましょう!
✧5月のインテ開催日、ご希望ありましたら確定ではなくてもリクエストお待ちしております。2日間で10~17時。48000円です。ぜひご希望をお知らせください。