OADセッション+個人レッスンの『ソマティック・エンパワリング・プログラム』をスタートされた洋子さん。(匿名)以前にも数回の個人セッションを受けられ、今回は「今年はがっつり、自分と対話していきたいです♪」とのことで継続プログラムにされました。
詳細は省きますが、幼い頃のトラウマ(複雑性トラウマ)への取り組みということで、とても自然な反応をシェアしてくださいました。トラウマや複雑性トラウマの持つ特徴についても書いたので、何か思い当たることがある方にもぜひご覧いただければと思います。
匿名での掲載をご了承をいただいたので、紹介いたします。
以下の表記は
・黒い文字が『フィードバックシート』の質問と問いかけ。
・ピンクの文字がクライアント様。(太文字はセラピスト。)
・青い文字がセラピストからの(愛の♪)つっこみ。
です。(※毎回の返信の内容、ボリュームはセッションの内容により異なります。)
○セッションを終えて今、感じていることはどのようなことでしょうか。
>身体の感覚:
・頭の上半分がもやもやしている。
・胸の辺りの不快感。もやもや。イライラ、猛烈な怒りが湧いてくる。上へ向かって、喉、頭の中心部まで。
外に出ては行かず、頭の中で詰まっている感じ。喉も詰まっている感じがする。膨らんで、熱い感じもする。
・腕の付け根辺りのじわじわ。緊張?強張り?喉へとつながっている。
・食べ物を食べても満たされない。今までは食べたら落ち着いたが、「満たされない」感が強い。
私が求めているのはこれじゃない!という感じ。
・もともとあった腰痛が強まっている。
ここまで体に出ている感覚をしっかり拾われているのがすばらしいですね!!セッションの中で、体の感覚と対話をする『フォーカシング』というセラピーも行っていくので、(一回目もしていたのですが)ご自分でも、この感覚が言いたいことをもっと聴けるようになるかと思います。この過程そのものが、とても大事なポイントです。
特に、トラウマを受けて過ごした幼少期がある場合、自分の体の感覚を知ることや体の声を聴くことは、ある意味とても怖いことになり、そこから心と体の分離感が強くなるのですが、自分で自分の感じをキャッチすること。これは癒しが大きく進む一歩でもあります。
>気づき:セッション直後は、手応えがあまりなかったので、頭で「今日のセッションは何か意味があったかなぁ」と思い、胸が少しもやっとする感じだった。セッションと関係しているのかわからないが、1日置いて、猛烈な怒りが後から後から湧いてきている。おさまらない。燃えるような、ものすごい怒りのエネルギーを感じる。
一回目(ではないですが、SEPが(^^))のセッション、お疲れ様でした!
上記にもありますが、長期間に渡るトラウマ状態(これを複雑性トラウマ、CPTSDと言います)の場合、我慢されてきたたくさんの思いや複合された感情が心の奥にあります。今までフタをしてきた部分に触れていくので当然抵抗や、怒り、今まで感じたことのないザワザワや不安、再び怒り、、、などが出てくるかもしれません。
けれどそれはとても自然なことです。その怒りの対象は不明だったり、自分自身、家族、セラピストなど様々な対象になることもあります。
今はかなり不快かもしれませんが、これぐらいの蓄積され、固まっていたエネルギーが動いているということです。怒りを感じるときには、その怒り・体の感覚を感じながら「むかつく!腹立つ!」などブツブツ((^^))言いながら、鎖骨の下や手首の内側をトントンとタッピングしてみてください。このとき、言いたいことは遠慮せず、「◯◯に死ぬほど腹がたつ!」とか「なんでこんななんだ!」など、思いつくことを全て言います。(または書き出します。)そのときに、その言葉に対する批判の思いは横におきます。
もし、一人でブツブツ言う時間がなければ、何も言わなずにトントンするだけでも大丈夫です!
◯お持ちになったテーマ、困っていたことの変化はありましたか?どのような思いが苦しみを生んでいたのか。自分はどんな風に捉え、過ごしていたでしょうか。
母の怒り(?)の場面に対して、自分がどう感じたか。
母に対して、とらえどころのない人、得体の知れないものだと感じていることが改めてわかった。また、とらえどころがないことで、無力感、脱力感、諦め、何をやっても無駄だ・・・のような、気持ちが下を向くような感情を抱いていることに気づいた。
ここもすばらしい発見ポイントですね!!こういう気持ちだった、小さな洋子ちゃんが、その「わからない・あきらめ・何をやってもダメだ」という状態(エネルギー)のままでずっといた。ということです。
このフリーズした思い、エネルギーが動き出しているので、今はおつらいかと思います。でも、このまま、アルのにナイことにして過ごしているのと、今出会い直してもっと声を聴き、理解をしていくのとでは、この先どのような違いがあるでしょうか。
そういう母をどういう理由で、理解したい(というか、把握したい)と思っているのか、わからなかった。理由が知りたいと思った。
人の反応を気にしたり、とらえどころのない人へ恐怖感みたいなのを感じたりするのも、母との関係が関連している?!
これからみていきましょう(^^)
◯また、どのような思い込み(解釈・ビリーフ・セルフイメージ)がご自分の生活へ影響をしていたでしょうか?それがあることで、どのような行動・思考になっていたでしょうか。
自分の行動に対して、母から何のリアクションも得られず(のように感じて)、それが、日々、自分は何をやっても無駄だ、意味がない、価値がない、つまらない、無力感、脱力感を感じるきっかけになっていた??
また、相手のリアクションをすごく気にしていること、相手のリアクションによって、
自分がOKかどうか決定するクセがついていることに気づいた。相手次第の生き方になっていた。
自分に対する自信がないことにも改めて気づいた。
安心感をイメージしにくいことにも気づいた。
このすばらしい気づきを得て、今、洋子さんの中に、洋子ちゃんへかけたい言葉、してあげたいこと、今の洋子さんに言ってあげたいことなどありますか?
◯『症状→状態→原因』で見えるものはありましたか。
(症状)無力感→
(状態)身動きが取れなくなる・どうしていいかわからないという気持ち・諦め・焦り・怒り→
(原因)お母さんに怒っている理由を答えてもらえなかった。気持ちを話してもわかってもらえなかった(その繰り返し)自分のしていることに自信がない??
✧今日のテーマについてのセルフワーク・課題
・怒りを感じて意識が過去に飛びそうになったら、今目の前のことを意識する
・怒りを感じた時、何に怒りを感じたのか、体のどこで怒りを感じているのかを意識する。
他にもあれば教えてください。
とてもいい感じですね~!今はこれだけでもじゅ~ぶんです!あとは、どうしても気になる強い怒り、焦り、不安などがあるときは先ほどの要領でタッピングをされてみてください。
✧発見した・思い出したリソース(自分が元気になる素)。
休日、家族と公園で過ごす時間。自分にとってとても幸せな時間であることに気づきました。
(*´∀`)
✧日常の中で生かしたいこと、使えそうなアイディアなど。
・怒りを発散する時は、夜ソファをなぐる(笑)。
→やけ食いは太るし、体に良くないし、人にあたるのも良くないし。
夜なら家族が眠っているので誰にも見られることはないし、
ソファはなぐっても自分はそんなに痛くないから(ソファさん、ごめんなさい)
・気分が切り替えられたり、心が穏やかになるようなアイテムを見つけていこう。
気分の切り替えが得意ではないので・・・。
こちらも、タッピングや気持ちを書き出す、その思いに「そうだよね(^^)」と自分で自分にOKを伝える、などをされてみてください。
✧セラピストへシェアされたいことなどありましたら、どのようなことでもご自由にどうぞ!
・例えば、完璧主義な性格がもとで、これまでの経験をとらえるから完璧でないところに目がいってしまうのか、それとも、これまでの経験によって完璧主義な性格になっていったのか、経験が先か、性格が先か、どちらなのでしょうか。もともとの性格なのか、経験によるものなのか、見分ける方法はありますか。
これはどちらでもあり、どちらが先か、ということではないかもしれません。(悩みになっている根っこが)『完璧ではないところに目がいってしまう』のは、個々それぞれの複雑な理由があって、そのような反応になるので、性格だから。とか、あのような経験があったから。と白か黒かで見るのは難しいでしょう。
『完璧ではないところに目がいってしまう』と思うことで、そういうご自分を、洋子さんが今どう思うか、感じるか。という観点ではどのようなものになるでしょうか(^^)
・今回のセッションでは、これがこうだったから、こうだった!のような、自分にしっくりくるような明確な感情が感じきれなかったので、もやっとしています。潜在意識下では癒されていることを願います(><)
これもとても自然な反応です。感情や思い自体はたくさん出てきましたが、感じきれているかどうかの感覚は人による。ということもあるのですが、前回のセッションでお話されていた、トリガーになる感情を一気に感じてしまったら、どのようなことになるでしょうか。ハートはちゃんと安全装置を持っているので、ムリなときや危険なときは、そこまでにして守ってくれています。
感じられないのがダメなのではなく、それぐらいのブレーキがかかる、ということです。洋子さんのハート(潜在意識)はちゃんとわかっていらっしゃいますよ~(^^)
・母から一方的に怒鳴られた夜、放心状態になっていたことを思い出しました。その時の感情を探っていくのもいいかなぁと思いました。
・安心感が得られるようになりたいです。また、自分に自信が持てるようになりたいです。
・子どもを叱る時、母親や父親がのりうつったような感覚になります。反射的にしてしまって、後で気づいてすごくイヤです。
数回にわけて丁寧にみていくテーマかと思いますが、いずれも少しづつ繋がっていけば、洋子さんの生命の底力となって、ご自分の中に軸や土台、安全さを感じられるようになる。…いつの間にか、そのような内なるハートの力が出ているでしょう♪
トラウマや複雑性トラウマに触れていくとき。気をつけたいのは「解放すればいい。」「癒やせばいい。」ということではない。ということです。
解放のタイミング、気持ちの準備や時期。心の様子。いろいろな要素が複合的に絡んだ今です。癒しは一直線のわかりやすいものではなく、とても複雑で有機的です。そこに色々な美しいストーリー、豊かな個性、愛の物語もたくさんあります。今、何か苦しみがあっても、それをただ取り除く、というより、ハートの対話を重ねていくと気がついたら癒しが進んでいた、そのような感じが近いかもしれません。
「自分で自分を迎えに行く」そんな過程をご一緒できればと思います。
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