ここ数日のニュースで、TOKIOの山口さんがお酒に酔って女性にキスをした。という話題が取り上げられていましたね。
報道ではアルコール依存症ではない、と報じられていますが、その点はかなり微妙な感じではないかと思います。
・肝臓の治療で入院していたけれど、退院した日に飲む。
・飲み方や量。
・会見のご様子。
などを見ると、依存症である可能性は高いかと思います。
けれどここで書きたいのは、山口さんがアルコール依存症かどうかやこれからどうすべきか。あのとき、どうすればよかったのか、ということではなく、
「なぜ、退院した日に一升瓶を飲んだのか。」
という観点から、
『そもそも依存症になる原因をみてみませんか。』
ということです。
お酒、薬、恋愛、買い物、食べ物、、、など行為に依存して、その結果困ったことになる。それぐらい歯止めのきかない状態になるのが依存症ですが、現在の依存症への対応はどのようなものでしょうか。
多くは
・薬で精神をコントロール
・考え方を変えて依存行為を押さえる
・行動を変えて依存行為をしないようにする
というものがほとんどでしょう。これは依存をしてしまう本人の意思をどうにかする、というアプローチです。けれど、我慢をしたり考えを変えたり、脳を変えれば依存行為は止まるのでしょうか。
これは火事でいうなら建物の表面に出ている火に水をかけているようなもので、建物内の火事の火種自体には全く触れていることにはなりません。
注目したいのは、『そもそも依存症になる人は、なぜ依存行為をするのか?』という部分です。
真に満ち足りていて、自分は大丈夫。という人が我を失うぐらいのお酒や恋愛、買い物、食べ物へまっしぐらになるでしょうか。
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依存行為をしている人達はなぜ、その行為をするのでしょうか?
これはマズイと思っていても止められないのでしょうか?
それぐらい好きだから?
意思が弱いから?
脳がダメージを受けている部分があるから?
違いますよね。楽しみや嬉しさを感じるのは自然なことですが、それが「適度」を越えて、支障をきたしてもやめられない、というときみるべき点は
『行為に走る前、心の中では何が起こっているのか、』
という行為や衝動の発生源です。そこには何をしても埋まらない深い欠乏感、心の痛み、二度と感じたくない悲しみ、、、いろいろな心の傷があるかもしれません。(もちろん、脳や神経のしくみにエラーがある、ということも関わってきますがニワトリとタマゴのように、どちらかだけの問題でくくってみるのはむりがあるでしょう。)
いけないことだ、とわかっていてもやめられないとき。そこにはその行為をすることで感じないで済むものがあります。
言い換えると、感じることに耐えられないぐらいの心の傷がある。ということです。何もしないままだと、いてもたってもいられないぐらいの苦しみがある。だから、それを感じないように、別の行為に集中をする。そして、それをしている間は心の痛みを感じないで済む。だからますますやめられない。
これが依存症になっていくサイクルです。わかっているのにやめられない。という大人の理性を越えるぐらいの衝動と痛みが行為に走らせているとも言えます。
依存症や中毒者の方は、意思が弱いのはありません。心が弱いとか、考えが足りないからそうなっているのではありません。とっても、苦しい。そして、それを誰にも言えない。自分でどうにかしようとする。でも、抱えきれない。
そんなとき、行為をしていると痛みや苦しさが紛れます。
苦しみや痛みを抱えている人に、コントロールや気合で行為をどうにかしようとするのはしくみからみても無理があります。
こういうときには、まず依存症を持つ御本人のセラピーをしながら、併せて行動をサポートする認知行動療法などをすると、よりそれが生かされてくるでしょう。
苦しみの代替行為を矯正でどうにかすることから、理解をむけ、根本の癒しをすることで再発や再犯は防げるはずです。
容疑者や犯罪者、と呼ばれる方々をただ「わるい、わるくない、」とするのではなく、『そもそも、なぜその行為が起こったか?』という背景に目を向けることで、根本からの変化が起こる解決に向かうのではないでしょうか。
山口さんの件では、女性と山口さんのそれぞれに最適なケアが届くといいなと思います。依存症についていえば、清原和博さんも田代まさしさんもそうです。
表面の行為を変えるのではなく、なぜその行為が起きているのかをみていくこと。その痛みのケアをすれば行動自体が変わります。
繰り返しになりますが、支配や強制、矯正の療法から根本からの自然な療法へ。必要な方が必要なセラピーを受けられますように。また、被害に合われた方にも最適なセラピーが届きますよう。
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